デザイナー柳川荒士のプロボクサーとしてのバックグラウンドを高濃度で投影させた、JOHN LAWRENCE SULLIVAN 2026年秋冬コレクション。過剰な装飾や社会性を排し、他者や社会と一定の距離を保ち、攻撃的かつ自己防衛をも内包する北欧ブラックメタルに潜む禁欲的なアティテュード=姿勢をも重ね合わせ、服を纏う身体の在り方を可視化することに注力しています。
ボクシングのファイティングポーズを想起させる、前屈みのクラウチングシルエットを着用者に強制させるかのようなロングコート、テイラードジャケット、ボンバージャケットやライダースジャケットは今シーズンを代表するヒーローピースです。ミリタリーウェアに見られる袖の前振りを拡大解釈し、極端に袖を太く、長く、前方へと湾曲させることで、身体が内側へと構えた状態になるように誘い、強調しています。肩線も極端に前方へと移動させ、より背中を丸く見せることで、ファイティングポーズ然としたシルエットが創出されるのです。
テキスタイルのメインとなるのは、第二の皮膚として身体を守る役割としてのレザー、タフな耐久度も持ち合わせたメルトン。ともに外界からの遮断、そして身体の内側への意識を高めるための防御膜として機能します。雪を連想させるケンピメルトン、シルクネップフラノやウールシルクネップニット、氷のような冷たさを秘めたシルバーラメ、表情豊かなシルバーレザーなど、北欧の自然環境を素材自体からも表現。
コレクション全体を通したカラーパレットは、北欧の夜を想起させるダークブラック、身体を突き刺すような冷たさを表現したスノーホワイトやアイスシルバーが中心。そこにアートディレクターKatariina Lamberg(KL Studio)による、秋&冬の2パターンのカモフラージュプリント、雪に見立てたドットプリントのテキスタイルデザインをプラス。また、森や川といった神話的モチーフをグラフィックで表現したデザインが、コレクションにさらなる奥行きを与えています。 過剰なまでのスタッズワークが規則的に打ち込まれたアクセサリーは、決してルックをアクセサライズするためではなく、緊張を生むための装置としての役割を持ち合わせます。マーケットやトレンドと安易に交わらないためのインデペンデントな姿勢の表明でもあるのです。YOSHiKO CREATiONとのコラボレーションジュエリーのほか、KIDS LOVE GAITEとのロングコンバットブーツでは、アッパーにTEMPESTI社のElbamatt Liscio(エルバマット・リッショ)レザー、Vibramのラバーソールを採用し、実用性と耐久性を確保。
ウィメンズラインでは、メンズ同様のコレクションコンセプトを据えながらも、誇張されたショルダーシルエットを象徴的要素の一つとして提案。男性的衣服構成を女性像へとトレースさせたアイテムを主軸に、袴や特攻服からインスパイアされたタックプリーツを多用したデニム素材のロングスカート、ランジェリーディテールをフェティッシュに取り入れたコートやトップスなどが登場します。
ショーの音楽は、アーティストであり、フィルムコンポーザー、プロデューサーとしても活動するJonas Karstenによって制作されました。「円運動」というコンセプトを軸に、音が直線的に進むのではなく、観客を包み込むように巡るサウンドデザインが追求されています。当初は全方位的かつ没入型の音響構成として構想されており、音が周回するようなエネルギーが強調されていましたが、最終的なプレゼンテーションではステレオ形式に変換され、一本の連続的な楽曲として発表されました。それでも、円を描くような音の動きという核となるコンセプトは揺るがず、ショー全体にさらなる緊張感と没入感をもたらす演出へと昇華されています。
STYLIST: Jordan Duddy
HAIR: Dushan
MAKE-UP: Kenny Campbell
MUSIC: Jonas Karsten
CASTING DIRECTION: Alter casting
CASTING: Taka Arakawa, Jose Maria Martin
CREATIVE CONSULTING: Alban Adam
CREATIVE & PR COMMUNICATION: Hanna K.OF

