B/NDAGE
20世紀後半に活躍した写真家、ロバート・メイプルソープの作品や世界観が起点となった、JOHN LAWRENCE SULLIVAN 2026年春夏メンズコレクション。メイプルソープ自身がナイフを手にして被写体となった、彼の代表作でもある『Self Portrait』(1983年)からインスパイアされ、ナイフ自体を用いたモチーフだけでなく、その攻撃的で反抗的なアティテュードを裁ち切り仕様などで表現。そこから派生し、レベッカ・ホルンやルチオ・フォンタナの作品からも着想を得て、スラッシュやスリットを大胆に取り入れたデニムセットアップ、テイラードジャケット、シャツやトラウザーズなども制作しています。
反対に、それらのナイフカットを治癒するかのようにして、包帯を巻き付けたようなデザインも考案。メイプルソープの『White Gauze』(1984年)から着想を得たものであり、そこにはボクサーとしてのバックグラウンドを持つデザイナー柳川荒士のパーソナルな一面もが組み込まれています。官能性と苦痛、普遍性、抑圧や拘束性といったキーワードが内在する本コレクションでは、アメリカの現代美術家ナンシー・グロスマンの作品からも影響を受け、ベルト、ボンデージ、スタッズ、マルチジッパーなどといったJLSらしい装飾ディテールが、より強靭な精神性を携えて盛り込まれています。
ウィメンズコレクションでは、メイプルソープ作品に登場する女性像に着目。中でも女性ボディビルダーであるリサ・リヨンを撮影した作品からインスパイアされ、コルセットやビスチェに見られるシェイプを多くのアイテムに応用しています。大胆なギャザリングやタックダーツ、パワーショルダーも取り入れ、またホルン作品に登場する拘束具やベルトなどは下着のストラップパーツに見立てて、機能的ディテールへと昇華させています。
「A MUSE」と「AMUSE」を掛け合わせたオリジナルグラフィックは、Katariina Lambergによるもの。ジュエリーはYOSHiKO CREATiONとのコラボレーションを今シーズンも継続。スティレットナイフが連なったネックレス、コルセットモチーフのリングなど、繊細かつ精巧なジュエリーがリリースされます。